鹿1頭分の1枚革を見せたときに、「あぁかわいそうに」という言葉を聞いたことがある。はたしてそうだろうか。私は食用として生まれてきた牛や豚の方がよっぽどかわいそうだと感じる。
このたび取り扱わさせていただいているのは、自由に生活して人間の生活圏を圧迫、世界遺産の自然を破壊している屋久島に生息する野生の鹿、ヤクシカである。このヤクシカの問題については、様々な分析がされ、屋久島は明らかに生息密度が高すぎるという数値が出ているそうだ。インターネットでもいろいろと公表され、問題視されている。
この屋久島で、鹿の害を食い止めるために活動しているヤクニク屋さんと今年の夏に出会い、鹿の革を1枚送っていただいた。1頭の鹿の革で作れる作品が写真のとおり。
ヤクニク屋さんは命を大事にいただく活動をされており、食肉、ペットフードの加工を手掛けている。屋久島でワンコ用のジャーキーを買うためにペットフード販売店「ペットワン」に立ち寄った時に、店頭に鹿の革が数色展示されていたのに驚いて、無理を言って1枚送っていただいた。この鹿革は結構傷が入っている。さすが野生の鹿である。でもこれはとても味がある傷で、世界に2つとない作品になる。
第1弾は展示用の作品を制作し、現在屋久島の店頭に並んでいる。